株式とAI

AIが様々な分野に進出し、いずれ人間が行う仕事の半分を奪い取ってしまうだろうと言われています。特に、税理士や公認会計士などはもはや存在理由を失い、銀行員や一般事務職も多くが職を失うことになり、建設作業や自動車組立、電車の運転などもAIがより安全かつスピーディに行っていくことになりそうです。

ところで、株式投資の分野でもAIが侵入してきているのを多くの投資家が実感しています。これまで株式相場を大きく左右してきたのは人間の心理的なものでした。多くの人が楽観的なときは株価上昇していきますが、逆に恐怖に陥ると大暴落につながります。そのため時に実体経済とは関係なく相場が動くことも多く、この投資家心理を逆手にとって投資できる人が大儲けすることが少なくありませんでした。しかし、AIが導入されるようになってから、従来の投資家心理とは異なる相場の動きをするようになってきたのです。AIには感情がないからです。

日本で初めてAIの運用が導入されたのは、2016年12月に三菱UFJ国際投信が機関投資家向けに運用を始めたものです。AIが様々なデータから瞬時に銘柄を選択し、売買を判断していきます。判断材料となるのは、各種経済指標や移動平均や売買高などのテクニカル分析をはじめ、ニュースや有価証券報告書、ネットの書き込みまで判断材料としていくと言われています。膨大な量の材料から翌日のTOPIXの騰落を予測して、上昇しそうな株式に資金を振り当てていくことができます。

まずは機関投資家に対してAIの導入が始まりましたが、徐々に一般投資家向けのサービスでもAIが導入されてきています。一般投資家向けでは、いかに簡単に利用できるかが重要になってきます。そこで、ある投資会社が提供しているAIサービスでは、スマートフォンを使って簡単な質問に答えると、最適なポートフォリオが構築できるようになっており、後はAIがそのポートフォリオに従って運用を自動で行ってくれます。ポートフォリオのリバランスも随時更新してくれるので、個人投資家は何もする必要がありません。AIにすべてをお任せするだけです。だから、初めての投資でも簡単に始めることができるわけです。手数料も低く抑えられていることが多く、機関投資家に丸投げするよりもメリットが多いと言えます。AIに対して抵抗がある人は、自分の勘と分析力を信じて投資を続けるのも良いでしょう。しかし、時代は今後ますますAIの波に飲み込まれていることを考えると、株式投資はAIが行うのが当たり前という時代が来るのも、そう遠くはないのかもしれません。